リンパ芽球性リンパ腫、働きながら子育て

2013年4月、母がリンパ芽球性リンパ腫に。同じ病気の方のブログから、治療方針や病院選びまで、とても助けられました。誰かの役に立てればと思いブログをはじめました。 日々の育児についても書いていきます。

医師「もう、歩けない」VS鍼灸師の夫「必ず歩けるようになる」 抗がん剤の副作用らしき、抹消神経障害

前回の日記、モルヒネの副作用?抗がん剤の副作用?しびれが悪化し歩けなくなる - リンパ芽球性リンパ腫、働きながら子育て の続きです。

 

2013年4月から続けていた抗がん剤治療は6クールで終え、10月の仮退院は本格退院へと切り替わりました。

足のしびれがひどく、歩行器を使ってなんとかトイレくらいならいける、という状況でした。入院していた病院の外来に通院し、血液内科の外来主治医にがんの診察をしてもらうほか、手足のしびれを複数の科でもみてもらって、原因を探っていました。

 

脳に要因があるのでは、などいろいろと調べた結果、抹消神経障害という診断がつきました。おそらく抗がん剤の副作用ではないか、フェンタニルではないと考えている、と血液内科の主治医から言われました。また外科の医師から、月1回のリハビリにくること、家でできる体操の指導、そして、「いちどダメになった神経細胞は復活しない。もうよくはならない」と言われたのです。

これは、大変なショックでした。せっかく抗がん剤で癌細胞はみあたらない状態になったのに、体が動かないとは。にもかかわらず、主治医も外科の医師も、命が助かることが第一で、手足のしびれに対して、本気で取り組む姿勢が見えませんでした。

 

そこで登場したのが夫でした。鍼灸師按摩マッサージ師として開業しており、母ががんになってから、入院中の病院にも出向いてマッサージなどしてくれていました。その夫は、はっきりと「必ず、また歩けるようになります」と断言したのです。「神経細胞は再生できなくても、神経線維は増やすことができる。神経線維が細胞をカバーするんです。人間の体は、ダメなところを他がカバーするようにできています」とのことでした。

そして、毎週治療に出向き、母の動きを細かく観察して、病院のリハビリに加えて、そのときの母の体の状況に応じた細かいリハビリメニューを足してくれました。また、足の踏み出し方などをみて、まんべんなく筋肉を使えるような、体の動かし方の指導もしてくれました。

母は、その言葉を信じてリハビリに励んでいました。結果、1年後には、一人で立って洗い物ができるまでに回復したのです!

 

よくニュースで、QOL(生活の質)という言葉を耳にしていましたが、正直なところピンときていませんでした。この件で、身をもって、病気が及ぼす影響は命だけではないこと、日常生活を送れることのありがたさ大切さを実感しました。

そして、病院は大病を治してはくれても、患者ひとりひとりが望む回復を実現するところまでは、まだまだサポートできないこと、そんなとき東洋医学やほかの医療の手が、その役割をはたしてくれることを知りました。

 

けれど、大変な局面に立たされてから信頼できる鍼灸院を探すのは難しいと思います。本当に弱っていると、おかしな人に騙される、あるいはわらにもすがる気持ちで、いろいろと手を出してしまう、ということはあると思います。

ですので、家族に心強い存在がいたことに、心から感謝しています。